SELECTION AND OPERATION保護具の選定と運用

防疫作業は担当する方々にとって肉体的にも精神的にも非常に大きな負担になります。
目に見えないウイルスを徹底的に封じ込め、防疫効果を最大限に発揮させるために、そもそもなぜ防護服が必要なのか、現地のゾーニング設定の考え方などのノウハウをお伝えします。

選定:なぜ防護服が必要なのか?
Necessity

3つのリスクから守るため

防護服やその他の個人用保護具を着用する主な目的は、下記3つのリスクから守るためです。

  • 外部のウイルスを
    農場に持ち込んでしまう

    クロスコンタミネーションの防止
  • 農場の汚染物を
    外に持ち出してしまう

    クロスコンタミネーションの防止
  • 作業者の感染予防対策として
    (鳥インフルエンザなど)

適切な個人用保護具を適切に着用して作業することでリスクを低減しましょう!

家畜感染症対策の場合は、付着した病原体を拡散させないため、
できる限り皮膚が露出しないタイプの防護服を2枚重ねで装着することが原則とされています。
※参考:農林水産省「平成23年12月 高病原性鳥インフルエンザに関する防疫作業マニュアル」(P92)

Q&A

Q.クロスコンタミネーション(交差汚染)とは?
A.交差汚染とは病原体の汚染度が高いものが、汚染度の低いものに接触することによって広がる汚染のことです。
感染動物の呼気・糞尿・分泌物・汚染畜産物・汚染された畜舎・器具・機械・設備・牧草地・土壌などの様々な感染源から、出入者などに付着した病原体を外部へ持ち出してしまう、もしくは外部から持ち込んでしまうことで伝染病が伝播してしまう恐れがあります。
Q.二重に防護服を着用する理由は?(なぜ防護服を二重に着用する必要があるのか?)
A.作業中にアウター防護服が破損してもインナーで防護可能になるためです。

夜間の安全性を高める

夜間、降雪時、重機回りにおける作業は昼間や通常時の作業に比べて安全性が低下します。
これらのリスクを極力減らすためには、暗闇で光を浴びると光る「高視認性の防護服」が有効的です。

  • 夜間作業

  • 雪中での作業

  • 重機回りの作業

暗所の反射イメージ(一般的な作業着との比較)
※光の明るさ・角度・天候などにより、反射の仕方は変わる可能性があります。

高視認性防護服を着用することで…

  • 作業従事者の視認性を良くし安全性UP!
  • 現場リーダーと作業員などの区別にも役立つ!

現時点では、防疫マニュアルや自治体の必要資材リストで、
夜間作業中の装着品については言及されておりませんが、
円滑かつ安全な作業のために
アゼアスは高視認性防護服の着用も推奨します!

運用:ゾーニングの重要性
Zoning

ゾーニングとは

病原体による汚染をなるべく小さな範囲で封じ込めるために、
病原体によって汚染されている区域(汚染区域)と汚染されていない区域(清浄区域)とを分ける汚染管理のことです。
防疫作業においても清浄区域と汚染区域を分け、汚染の拡大を防ぎましょう。

仮設テント(農場地前)のゾーニング例

清浄エリア

ポイント

  • 農場で使用した汚染の可能性がある個人用保護具を着たまま入らない。
    (ウイルスが外部に持ち出される可能性が高まるため)

汚染エリア

ポイント

  • アウター防護服、アウター手袋などは清浄エリアへの入り口で外す。
    また、靴の汚れをよく落としてから清浄エリアへ入る。
  • 汚染エリア内でむやみに保護具を外さない。

ゾーニング例はあくまでも一例です。
必要設備等は各都道府県の防疫マニュアルをご確認ください。

運用:廃棄・保管
Disposal and Storage

廃棄について

使用後の防護服・保護具等は、感染性の汚染物(血液、体液、粉じん)が残っている可能性があるため、原則として、焼却または発生農場もしくはその周辺(人家、水源、河川及び道路に近接しない場所であって、日常、人および家きんが接近しない場所に限る。)において埋却すること等が「高病原性鳥インフルエンザ及び低病原性鳥インフルエンザに関する特定家畜伝染病防疫指針(令和2年7月1日 農林水産大臣公表)」で定められています。
詳しくは、各都道府県の防疫マニュアル等の取り決めにしたがって処理を行ってください。

保管について

有事の際の作業をスムーズに進めるためには関連資材の備蓄が有効ですが、保管状況などにより劣化してしまった個人用防護具は本来の性能を発揮できません。いざという時に使用できないことに繋がらないよう、日頃から対策をしておきましょう。

Q&A

Q.適切な保管方法が知りたい
A.突起物などによる損傷の恐れがない場所に保管してください。紫外線・温度変化により劣化する可能性があるアイテムは、直射日光を避けて保管してください。カビの発生などを防ぐために地面に直置きせず、パレットの上に置くなどするのが良いでしょう。 また、それぞれのアイテムの取扱説明書も確認してください。
Q.保護具の点検はなぜ必要ですか?
A.保護具の中でも、手袋・マスクには天然ゴムが使用されている可能性があります。特に天然ゴムは素材の特性上、経年劣化を避けられません。 紫外線照射や高温多湿に弱く、保管状況によっては短期間で劣化する恐れがありますので、定期的な確認を行いましょう。
BEFORE
AFTER

天然ゴム製手袋を2ヶ月間日光に当てた場合、変色や裂けがおこりました。

  • 変色

  • 破損

※保管状況により劣化状態は変わります。

Q.使用期限はありますか?
A.防護服、マスクなどの保護具は、各々原材料の材質が異なりますので、性能劣化の進み方も異なります。アゼアス推奨品の交換時期の目安としては3~5年としておりますが、保管の状態によってはこの期間内でも劣化する場合があります。ご使用の前に必ず目視で検査してください。
また、期限切れとなった防護服・保護具も、訓練で使用するなど有効活用が可能です。

お気軽にご相談ください。

お急ぎの場合はお電話にてご連絡ください。

03-3861-3537
9:00~17:45 土日祝除く

家畜感染症対策コンテンツ一覧

お問い合わせ
Contact

Webからのお問い合わせ

電話でのお問い合わせ

03-3861-3537

9:00~17:45 土日祝除く